無料ホームページ ブログ(blog)
mi1011.netさむがりやのサンタ
mi1011.net
または私は如何にして心配するのを止めて人生を愛するようになったか
201707<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>201709
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
さむがりやのサンタ
子供が子供だった頃、クリスマスの朝に枕元にあったのは、山積みされた学研のひみつシリーズ。理想と現実の乖離を知る。

子供が子供だった頃、進路はゴレンジャー入隊一本で固まっていた。

子供が子供だった頃、世界は小さいくせに凄かった。その凄さは時の感覚を遅らせ、肉体の成長を促し続けた。

子供が子供だった頃、奇妙奇天烈な色彩や絵、モノ、感じたことがない感覚にいつだって飢えていた。世界中を旅するわけでもなく、次から次へと新しい出会いがやって来るわけでもなく、ミクロでありながらマクロに入り浸る。

子供が子供だった頃、どこから新しい観念がやってくるのか。絵本という選択肢がある。小説ほど文章に汚染されておらず、漫画のようでありながらそこに指定された色がついて、練られたストーリー。それらすべてが描く観念や思いに、世界の洗礼を子供は夕立のように空を向いて浴びる。

子供が子供だった頃、好きだった絵本がある。こいつは絵本なのに、絵本じゃない。イギリス産。タイトルから、サンタなのに「さむがり」ときてるもんだから、子供向けとかいいながらも、相当に既成概念を壊す確信犯な内容に仕上がってる。そう!出来上がったばっかりなのに、もう壊すか既成概念!?つまり、サンタでありながらサンタやりたくねーというわけで、各地を遊びほうけるも、行く先々で皆からサンタ呼ばわりされてぶち切れて、しかも何故か呼ばわり方に尊敬の念がまったくなくてむしろ笑い者という、ハートウオーミングから程遠いほどサンタがいい顔を繰り出す。要するに、この絵本で描かれてる観念とは、ひたすら「不満」と「苦難」という、子供の成長にとって、ほんまにどうかしてるぞと思うパンチをめくるめくコマから繰り出してくるわけだ。

子供が子供だった頃、そうした、なんでこのおっさんはそんなに不愉快な顔をして、不満ありありで、最後に笑っているのか、理解不能なものだから、あるいは、作者が子供心に印象に残るように意図しているだろうか、とにかく忘れたくても忘れられない。無理してええもん食ってお腹壊して顔色真っ青になっている絵とか、ラスベガスで金持ちから「あいつサンタだぜ」と嘲笑されて負け犬の遠吠えをしている絵とか。だからこそ世界を知る上で【よい】ともいえるし、だからこんなおっさんに成り果てたともいえる。

子供が子供だった頃、つまり、俺がこんなんになってしまったのは、全部この本が悪い。

515B7MP5G9L__SL500_AA240_.jpg

さむがりやのサンタ (世界傑作絵本シリーズ―イギリスの絵本) (ハードカバー)
レイモンド・ブリッグズ (著), すがはら ひろくに (翻訳)
¥ 1,260
スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
copyright © 2004-2005 Powered By FC2ブログ allrights reserved
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。