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または私は如何にして心配するのを止めて人生を愛するようになったか
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千城台の風景
風がない。雲もない。夏の朝だ。

透き通るような青とまではいわないまでも、爽快にして猛暑、そんな表現が似合う午前。客との訪問を終え、そんな午前を突き抜けるように近くのバス亭へと向かう。沿いに東京通信大学の入口があり、その青々とした緑が溢れた入口のそばに、男が座り込んでいる。淡目のクリーム色のよれたTシャツ、レーバンのようなグラサン、汚らしい白いスニーカー。無精ひげでボサボサ頭のその男は、缶ビールをグビグビ飲みながら、叫び気味に独り言をつぶやいている。ツイッターやな、さては。

「ぜってーーーーーー、ちがう。あれは、ぜってーーーー」

うん、触らぬ神に祟りなし。スっと息を殺しもって、その男の側を通り過ぎ、バス亭に。うーん、次の便まであと10分。なかなか来ないな。あれ?バスじゃなくて、あのツイッターがこっちに向かってくるではないか。これは最悪。非常事態。そしてやっぱり、俺は電波キャッチャー。男はリックを背負いながら、グビグビ飲んでタバコ吸って、また、「ぜってーーーーーーーーちがう」とつぶやいて、俺の横にきやがった。ガイキチやー。車中、心休まることはないだろうな。そう思って、基本理念「触らぬ神に祟りなし」にしたがい、視線を合わさないようにしていると、なにやら、男が携帯で誰かと話しだした。

「えー、○○ですけど、はい、あの、やっぱり××さんには、いってもらっては困りますので、ええ。そうですね。ええ、もう、電話番号は忘れてしまいまして。ええ、そうですね、いい出会いをありがとうございました。はい、失礼します」

電話を切る男。チラッと様子を伺うと、男はククククっと笑ってやがる。笑いながら、下を向いてる。しかし、俺には分かる。そのレイバンの下、曇って前が見えないんだろ?おまえ、泣き笑いしてるだろ?哀れな俺、ああ、世間よ、笑いやがれ、こんな惨めで哀れでピエロな俺を。理不尽な現実に振り回されてる軟弱さを、あざけわらってくれ、それだけが優しさよ、というわけか。爽快に気持ち悪いぞ、おまえ。いいぞ、その女々しさ。きっと、その涙、10年経っても何の役にも立たないだろうけど、まあ、泣けよ。結局、泣き笑いながら、男は、文字通りフラフラになりながら、バス亭から向かいの歩道に渡り、そして消えていった。どこかで風鈴の音が聴こえた。
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