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mi1011.net 20061008
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または私は如何にして心配するのを止めて人生を・愛する・ようになったか
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Street KATSUGI Man
都会から田舎へ、さらに、日常から非日常へ。
そんな魔空空間の旅をわずか2日間でやって参りました。

3週間前に親父から発信されたメール。【10月8日に実家の近所でお御輿を担いでほしい】とな。東京からわざわざ大阪のど田舎の、しかも御輿のためだけに来いというのか、アンタは。と、瞬間的に殺意が芽生えるも、【まあでもこんでもいいけど】と次の文章。悩み、考え、出した決断は、『それじゃ、参加します。』

朝5時起床、熱い実家の風呂に浸かった後にとび職のような全身白に
青のハッピをサッと被る。鉢巻をキツク締める。まんざらでもない気分になって参りましたよ。

自治会の広場には若衆30名、オッサン40名がすでに揃っています。
地元にこんだけ若い人間が隠れていたのかと感心する一方、ひさしぶりに再会する旧友もいたり、なんだか妙な気分でございます。

御輿は、四方に提灯が飾られ、その下では、小学生〜中学生の化粧した男氏が中央の太鼓を叩くステージがあり、その下に縦に前・後と木が伸び、前方に若衆、後方にオッサンズです。私のポジションは御輿の右前角のサイドです。

自治会の挨拶が終わり、午前8時スタート。ステージで子供が太鼓を掛け声と共に叩きながら、御輿が上がります。左肩へのGは、肩の皮がめくれるんじゃないかと心配するような重さです。きつい。しかし、この状態はまだキープできる。ところが、20m進むとドカンと御輿が落ちる。もう、落ちる時のGは、加速度的にかかってきまして、とてもじゃありませんが持てません。どうも右・左のバランスが悪い。俗に、『御輿を担ぐ』とは、もちろん『持つ』わけじゃなくて、『肩に置き』、そして進むのです。ですが、いかんせん、どっちかがヘタり出す・あるいは手を抜くととたんに片方にGがかかる。皆がまじめにきちんとやらないと途端に落ちる代物です。

20mが10m、10mが5m、5mが2m、と、どんどん反比例で、
御輿を上げて落とすまでの距離が縮む。もうヘロヘロです。そんな時に二つ奥の手があります。ひとつは、『らっそーら!』です。これは、早い話、持つのがしんどいなら引っ張れ、でありまして、御輿を地面につけたまま、ひっぱって走る。岸和田のだんじりに似ています。

ふたつめは、『駒』。もう、らっそーらをやる元気もなくなってくると、プライドを捨てて、御輿の下に駒を置き、転がすわけです。これは全くしんどくない。

我々、思い切り、公道を練り歩いてまして、当然、渋滞をどんどん生んでいきまして、交差点に来ては、らっそーらを連発して、ぐるぐる御輿を回します。公道にこんだけ傷をつけて始末書出さないとあかんでしょ、ほんと。しかし、楽しい。

で、雨も冷たく感じながらも、バテバテでも、それでも、なんとか、午前中の目的地の神社に着きました。ここが大一番でして、神社に御輿を担いで上げて、さらに神社まわりを3周するお約束があります。何故大一番かといえば、その最中に御輿を落としてはならない、という点。もう、これはきつい。ガシガシGはかかるし、御輿は下がってくるし、怒声・罵声・掛け声が飛び交う中、根性・根性、そして根性だけで周囲を回るぼくたち。バカでしょうか。それが祭り。祭りは怒と楽です。私も『左、上げんかい』だの『下がっとるやろボケ』だの『声出さんかい』だの申し上げており、もう喧嘩の花道です。それがまた楽しい。担ぎ終わった後は、旧友と『来年は間違いなく落ちるな』とワシャシャ笑っておりました。

で、また来た道を戻り、弁当を喰らい、今度は逆方向を練り歩く。もうこのへんになると、オッサン連中が、『もうおまえら、ダメや。駒出せ、駒!』と前の若衆に切れたり指示したり、てんやわんやで笑えます。若衆も意地になって頑張ろうとしますが、非力。よって、オッサン連中が空気を支配。ところが、オッサンは回復力が劣っていますので、若衆が元気を取り戻し、いいバランスになってきました。

で、御輿を落とすのが、これが前触れ無く(無論、Gのかかりによって察知)起こるので突然落とされる御輿に怪我人も出る中、祭りを楽しんでる自分に結構驚きました。

祭りとは非日常。本当に御輿を担ぐのがこれほどしんどく、またある意味楽しいかとつくづく感動を覚えると同時に、古き良き伝統にも意味があるのかもなと考えました。

といってる間に、リターンポイントを迎えた頃はもう夕方。
声を枯らしながら練り歩く御輿。車がどうした、道は俺たちが占領しているんじゃ邪魔すんな、ぼけ。という気分で、掛け声を絶叫する祭り集団。御輿が落ちた際に提灯が燃え出したり、中学の女友達と談笑したり、何度も落とす若衆に切れたり、らっそーらでダッシュし過ぎてこけたり、それでも終わりはやがて訪れます。

肩もボロボロ、膝もガクガク、腰もグリグリ、満身創痍で精根尽き果てました。が、最終目的地の出発場所に到達し、じゃんじゃか御輿を上げた時は、ひとつの感動を覚え、また、最後に太鼓を叩いた子供達との掛け声への同調は、短い楽しさの終わりを告げる寂しさも感じ、終わった時には万雷の拍手に参加していました。

澄み切った空には、都会では決して見れないピカピカに輝いた星たちが、すでに座っていました。
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