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または私は如何にして心配するのを止めて人生を愛するようになったか
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東京麻婆探訪:第三回 川菜館(センサイカン:神保町)
どちらかというと、もうしばらくは麻婆豆腐は食べなくてもいいかなと思ってた。

そう思わせるほどに、前回(中華深せん)の訪問は私に打撃を与えていた。好きだったものが、想像だにしない形で、想像しきれない格好で、ぶつかってくる。何度もぶつかってくる。満たされきった食欲にたたみかかってくる。ああ、もういやだ。もう麻婆は5年ぐらいいいや。偽ざる気持ちと麻婆豆腐。俺は東京七大麻婆豆腐探究の旅にいささか辟易していたことを告白せざるを得ない。

そんな時に、旅の盟友・ヨシアキが俺にこうのたまわった。
「mi1011さん、見つけましたよ。いってみましょうか。」
ヨシアキよりも早く最寄駅に到着した俺は、下見がてらのその店に独りでいった。ない。Googleにはないぞ。
隣りのホテルのフロントマンがいった。「そのお店、年末につぶれましたよ。」縁がないな、これは。うん、これはもうこの企画の終焉だ。さあ、ラーメンでも食いにいこうか。

するとヨシアキがいった。
「mi1011さん、逃げる気っすか。逃げるんすか。そんなんでいいんすか!東京麻婆、まだ五つ残ってますよ!!
俺、まだ旅の途中っす。今、麻婆に会いたくて会いたくて、震えてます!!一歩もひかねーーーーーーーっす。
神保町でいいところ、みつけたっす。ここから旅がまた始まる予感、恋の予感、嫌な予感っす。」

心が震えた。面白いもんで、人間というやつは。
激しく高ぶるこの気持ち、俺はヨシアキの両肩を掴み、そして、こういった。
「下調べ、したんだろうな!!!!!!!」


第三回の東京麻婆探訪。前回同様、共演はアホのヨシアキでお送りしまあす。舞台は神保町。ここは出版社が多く、いわゆるグルメ記事を書く記者たちの「味の標準」を作り出している街ともいえる。一方、学校も近くにあるから必然的に学生向けのボリュームある飯屋も所せまし。さらに、古本屋街の水道橋と隣接しているから、ナイスミドル・もうすぐ死んどるな世代も、ワラワラと集まってくるもんだから、飯屋の充実度は非常に高いといえる。その中での、麻婆豆腐の名店。いってやろうじゃないのよ。

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20時30分にようやくやってきた、ヨシアキ。お仕事お疲れといいたい。
次に、ふざけんな、さっさと来いやといいたい。

お店の構造は2階建て(3階?)横幅せまく縦に広い。1階は誰もいない。あれ、やっちゃった?2階に案内されると、お仕事帰りそうな二組が既に中華を堪能。平日でそろそろいい時間なのにきっちり人がいる。これはたしかだなと思う。ボンクラ二人はそのまま奥の座敷に通され、いきなりラストオーダー的なこともいわれてしまう。メニューをみる。必要はないけど、メニューをみる。なにこれ、黄色いタレがかかったどんぶり?!カニみそ。へええ、なんか、こっちの方が旨そうやな。あるいは、四川料理名物の水牛鍋いくか。わかった、わかった、麻婆豆腐いこか。ただ、情報では、担担麺の汁無があるそうで、¥400でこぶりでいいそうだ。これもいっとこか。
綺麗な女性店員が心配そうに言う。「ものすごく辛いですけど、大丈夫ですか?」何を野暮な。それを食べに来たんでしょう!!あ、そんなこと言ってなかったな。

5分後、真打登場だ。

人望麻婆

一口。あ、これは旨いね。また、「唐辛子と花山椒のグルーブ感」とか書くんだろうと思われがちだけど、その通り。ちゅーか、それしかない。でも、旨味はたしかだ。そう、第一回の陳建一のそれと酷似している。つまり、四川の麻婆、本流とみた。あ、トラウマが今俺の中で静かに、でも確実に消えていくのを感じる。また、麻婆豆腐に笑顔で会えそうだ。涙君、さよなら。さよなら、涙君。洗練され徹底的に商品化を目指した陳建一ヴァージョンに比べ、川菜ヴァージョンはラー油が多く、庶民テイストの風情をどこかに感じる。とはいえ、味の大筋は同じ。うん、旨いわ。

担担麺汁無が来た。これも好きですね。間違いなく、日本のラーメン屋でこんな味付けしてくるところはない。
異国情緒に溢れる味。ヨシアキは三口目あたりで、「俺、しんどいっす」といいだしたが、俺はしんどくない。むしろ、旨い旨いと変態のように食ってる。

結論:麻婆はもちろん、他の中華も要チェック。店の風情の割に、金額はちょい高めなので、
張り込みたい時にきたい。

川菜館
03-3295-3818
東京都千代田区神田駿河台3-7-7
交通手段 新御茶ノ水駅徒歩3分
新御茶ノ水駅から237m

営業時間 11:30~15:00、17:30~23:00 
ランチ営業、夜10時以降入店可、日曜営業
定休日 不定休
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黒×黒ハンバーグ(ロイヤルホスト)
黒毛和牛7.5:黒豚2.5の黄金比率。
鉄板の上で貫禄たっぷりな面構えだ。
いい顔してるぞ、このハンバーグ。
ソースは、デミグラスをベースにバターと生クリーム・醤油を
ブレンドしたブラウンバターソース。

小さく切ってみる。断面から、きめ細やかな肉の汗が流れる。
人はそれを肉汁と呼ぶ。俺もまた汗をかく。人は俺をデブと呼ぶ。
ソースにつける。うます。

申し分なき、ハンバーグ。
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ペヤング激辛やきそば
2012年に発売されたカップ焼きそばの中で最大級のインパクト、そいつをようやく経験することが出来た。
早速、その詳細を報告したい。

以前から激辛好きとしては気にはなってた。いかんせん店頭にない。なのに、『あれは凄いぞ』とか『辛くて食えない』とか耳に入ってくるから、どないなもんやと。どないなもんじゃと。どないなもんなんじゃいやと。悶々としてたんだな。それで、井之頭のコンビニで見つけたというか、やっと出会えたねというか。それで気持ち悪い辻ジンセイのようにお湯を入れて、待つ。3分。ようやく出来た。激辛といわれれば、ついつい家の黄金の一味とか、台湾の激辛ラー油を入れてしまうところだけど、そこは我慢。がっつりと一口目。うん、ん?どどどどどどどどどどどどどどどど、と辛味が口の奥に押し寄せてくる。これは辛い。ナイス辛さだ。ちょうど、辛いと思えるレベルだ。いや、じつに旨い。辛くて旨い。1分少々で食べきってしまった。もちろん、まだ辛い。ただ、いい辛味はチョコ1粒で中和される。(水ではダメ)。それ以上になると、辛過ぎて引っ張るというか。違和感のある辛さともいえる。それ未満なら、辛い部類に立候補するべきじゃない。これはまた、激辛ではない。大辛だ。ちなみに、激辛とは、食ったら体調に異常をきたすレベル。1時間ぐらい変な汗が出るというか、泣きながら食うしかないとか。『激』しい辛さなんだから。

話を戻そう。この大辛、商品開発担当の素晴らしい仕事よ。本当にど真ん中な辛さ。ちょうどいい。ちょうどいい。大事な事だから二回いうたった。ただ、あえて注文をつけるとすれば、かやくに天かすとか入れてほしかったな。そうすると、大辛に味わいが増えてくると思う。キャベツなんていらんやろ。

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ます田(吉祥寺)
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お店に入ったのは、昼前。
地元にしっかりと腰を下ろした、そんな雰囲気がお店に漂う。
四角い仁鶴がまあるく、って声が響いてる。奥の座敷に入る。
ところで、客が誰もいない。それでもなんら怯むことはない。
うな重の松を2つ注文する我々。松、@¥3800。いいんだ、値段は。
今日は最高の江戸前を体験しにきたんだから。
関西とは違って、江戸前のうなぎは、焼く前に蒸すらしい。
はたして、我々は違う世界をみるのか、否か。
さあ、楽しみだなー、うな重。とか待ってたら、暖簾が上がった。
中年男性おひとり様がカウンターに座ったぞ。「松、ひとつ」。やっぱり松だ。
そんなこんないうてたら、どんどんお客さんが増えてきた。
常連さんらしき人はどんどんカウンターにいくぞ。そのうちのひとりは、退院したばかりらしい。
それで退院したばかりなのに、家に帰る前にここに来たらしい。

突然、ぶわっと、お店の中に、タレが焼けた匂いが広がる。
ざわっと感覚が身震いしたぞ。いよいよ来るのか。
いよいよ来た、そのうな重。

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衝撃が走った。それこそ、東京で「旨い」とか「行列が並ぶような」お店はたくさんあると思うし、いろいろとごちそうになってきた。その中でも、食べて驚く経験は数えるほどしかない。本当にただ高いだけとか、名前だけとか、実際ほとんどがそんなものだ。いや、あえていおう。感動を覚えることなんて、たいしてなかった、今日までは。うなぎ、うなぎって、いうけど、そんなうなぎって旨いとは思ってこなかった、今日までは。ところがどうだ、これは。このうなぎは。なんだ、このやわらかさは。繊細さが上品さを生みだし、今まで経験したことのない食感に導いてくれる。映画でも音楽でもなんでもそう。本当の一流を知ると、今までがなんだったのかに気付く。本当の一流を知らないと、今が何なのかも分からない。このうなぎを食べて、俺はうなぎというものが本当に旨いもんなんだなと知った。値段は3800。安い部類じゃない。それでも、1年に1度うなぎを食べたいと思うことがあるのなら、迷わず、ここに来たい。いくら並んでも構わない。本物のうなぎに出会えるなら。随分書いたな。それでも、この感動をきちんと伝えられているかどうか、少々不安だ。

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お店を出る。そして出た後、妻とこのうなぎについて1時間ぐらい語り合う。
それぐらいの感動をありがとう。

ます田
TEL・予約 0422-42-7848
東京都武蔵野市吉祥寺南町2-25-10
王将(経堂)
お客さんと会ったはいいが、西浦和には何もなかった。

昼飯喰らうこともなく、そのまま経堂に移動。改札を出て、駅前交番のある南口を進む。学生がよく通る界隈なんだろうか、下北に雰囲気が似てる。そのまま左右を見渡してると、そこそこの飯屋が見えるものの、さて、またラーメン?いや、やっぱりあかんやろう、もう。いい加減にしないとな。でも、今更何するんかい。結局落ち着くところにいってしまうんか、それはダメな方向だよなと、延々緩い心境のまま、緩い坂道をくだる。すると、出てきたのは、つけ麺屋。の隣りの、王将の看板。ここでいいか。すっと稟議が下りた。

あれ、二人しか客がいない。まあ、いいや。ここから新たな展開だ。じゃあ、何しようかと。またラーメン?いや、やっぱりあかんやろう、もう。と、10分前の悩みをループしかけたとき、ふと思い出した。王将といえば、何かと。簡単そうに見えて、家ではなかなか作れない。食べる機会もない。それでいて、安くて、なにより旨いモノ。チャーハン?ちがう、天津飯だ。天津飯こそ、キングのファーストチョイス。あっつあつのあんかけ、とろとろのタマゴ、ホカホカご飯。中華三重奏。値段は¥462。OK、テンシンハンイーガー。

もう、来たんかい。というぐらい、待つこともなくやってきた、天津飯。まずは、付け合せのプースーを一口。!鶏ガラ!粉ベースじゃなくて、自分で家で出汁取った時と同じ。旨味が凝縮してるぞ。やや塩気が強いが、それでも、醤油をお湯で割っただけの、店側のある種の邪悪ささえ感じられる、くっそ不味い汁に比べれば、数段どころか、モノが違うレベル。レンゲでご飯を掬う前に、大将の腕を確信した。ここは旨いぞと。

あんかけはケチャップ?醤油?ベースと、塩ベースで選べる。もちろん、大阪人としては、塩ベースでしょう。あれ?大阪は関係ないんか。しかし、あのケチャップっぽいというか、変な感じのあんはどうも好きになれない。やっぱり、天津には塩でしょう。お風呂の温度をみるように、そのあんかけを静かにレンゲで掻き混ぜつつ、下からご飯を掬い上げる。もちろん、米の上にタマゴがどっさりとのるように。神輿に担がれた巫女さんよ。口に入れる。やっぱり旨い。四の五の言うこともなく、絶品じゃないか。このタマゴのふわっふわ感こそ、匠の技よ。どんどん、食が進む。そう、写真を撮ることを忘れてしまった。それぐらいの旨さ。絶妙やな、何もかもが。これで¥462。改めて、そのコストパフォーマンスの高さを見せつけてくれた、王将。

いやさ、経堂の王将。素晴らしい。
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